今しているキスは今までの重なるだけのキスとは違う。要さんの舌が私の口内に入ろうと動く。私が微かに開くと素早く中に入ってきた。

要さんの舌が私の舌に触れると、体が痺れる。これまた初めての感覚。深くなるキスを受け止めるのに精一杯だけど、なんだか息苦しい。

いつ、どこで息継ぎをすればいいのか分からない。

頭がもうろうとするし、苦しい。苦しさから逃れようと要さんの胸に手を置いた。


「は、い、や……」


やっと絞り出せた私の声に要さんの動きが止まり、キスも止まった。苦しくて、息が上がってしまい、ゆっくりと息を吐きながら、呼吸を整える。


「早く言えよ。止められなくなるだろ? 嫌だった?」


「嫌なのは苦しかったからで、キスが嫌だったのではなくて」


まだ近距離にある要さんの顔を見上げて、キスが嫌なのではないと主張する。

すると、要さんが吹き出した。


「嫌じゃなかったんなら、気持ち良かった?」


「えっ? いえ、そういうのではなくて。嫌ではないんですけど、そういうのでは本当にないので、なんと言ったらいいか」