控え目に甘く、想いは直線的

店員さんが店に入ってきた人に声を掛けたので、私も背後にあった入り口を振り返って見た。

そこには涼さんに負けないくらいカッコいい人がいた。いや、負けないくらいというより似ている。

ただ雰囲気が違って……涼さんは明るく爽やかな感じだけど、この要と呼ばれた人は、真面目で冷たそうな感じがした。

それと涼さんよりも年は上に見える。


「涼も来ていたんだ。なんか珍しいタイプだけど、まさか彼女?」


要さんが私を見て、涼さんに尋ねる。彼女だなんて……思いがけない勘違いにふわふわと体が浮きそうになる。


「いや、違う。あ、もう行かないと間に合わなくなるよ」


「あ、はい! 本当にありがとうございました!」


時間を確認すると3時半になるところだったので、急いで着ていた服を入れてもらったショッピングバッグとケーキの箱を抱えて、外へ出た。


電車に乗り、また会えるかなーと涼さんの顔を思い浮かべたとき、なにも聞いていないことに気付いた。