控え目に甘く、想いは直線的

まずは濃いめのほうを塗る。口紅の色を変えるだけで、こんなにも印象が変わるんだと、自分の変化をまじまじと見た。濃い色は華やかさをプラスしてくれていた。


「ふうん、なるほど。違うほうも見せて」


要さんは腕組みをして、鏡の中の私と実際の私を交互に見る。

奈美さんはコットンに何か液体を含ませて、私の唇を拭く。


「今、コットンに付けたのはなんですか?」


「ああ、これはね、ポイントメイク用のリムーバよ」


「ポイントメイク用……」


私はメイクを落とすのにメイクも落とせる洗顔料を使用している。クレンジングと普通の洗顔料は別にしたほうがいいと柊花にアドバイスされたけど、便利さで選んだ。

だから、ポイントメイクを落とす専用のものがあるとは知らなく、キョトンと首を傾げた。


「もしかしてポイントメイクを同じ普通のクレンジングで落としてるのかな? 見たところ、アイシャドウも薄いから普通のクレンジングだけでも落とせそうだけど、こういうのもあると知っておいたほうがいいわよ」