控え目に甘く、想いは直線的

予定通り、要さんと大石さんは夕方五時頃に帰ってきた。私は大石さんに入力が終わったことを伝え、出来上がった集計表を渡した。


「うん、あとでチェックしておくね」


「はい、お願いします」


「野々宮」


要さんに呼ばれ、小さく返事をしてデスクの前に立つ。数枚の紙を渡され、10部コピーをするように頼まれる。

コピー機に行くと、なぜか大石さんがついてきて、何だろうと? と見ると、耳元でとんでもないことを聞いてきた。


「ねえねえ、要さんと付き合うことになった?」


「えっ? いえ!」


「拓人」


「おっと、やばっ」


要さんに低い声で呼ばれた大石さんは小さく舌を出して、私から離れた。要さんからは不機嫌オーラが漂っている。

大石さんは「はい。はーい」と気の抜けた返事をして、要さんに睨まれるがいつものごとく全然怯まない。高校時代から一緒にいるというから慣れているのかもしれない。

コピーも終わって、メールの整理をしていると六時になった。