控え目に甘く、想いは直線的

「そうなんだ。んー、まあ、電話してみるかな。夕美ちゃん、ありがとね」


手を振って出ていく涼さんに頭を下げた。

ほんの一ヶ月前まで私は涼さんが好きだった。でも、今は要さんの弟としか見えない。

当たり前だけど、心は変わるものなんだ。もし今、要さんのことを好きになったとしても、また変わるかもしれない。

そうやってみんな何度も恋をしているんだろうけど、要さんへの気持ちが恋なのかまだ分からないのが事実。尊敬はしているけど。

手を繋がれたらドキドキするし、キスされたら心臓が壊れそうになった。そういうのはやっぱり恋だからなのかな。


そんなことを考えながらお弁当を食べていると、スマホに要さんからメッセージが届いた。


『六時に出よう』と時間を知らせる短い連絡。五時に戻る予定で、六時に退社出来るのだろうか。多分私が帰る時間に合わせてくれているのだと思うけど、要さんはいつも忙しいから無理をさせてしまうのではないかと心配になる。

それでも『分かりました』としか返事が出来なかったが。