控え目に甘く、想いは直線的

しかし、大石さんは懲りもせず私に書類を渡しながら、また話し掛けてきた。


「要さんさ、クールに見せているけど、意外に甘くなかった?」


「えっと、あの、そうですね」


「拓人、余計な詮索するなよ。野々宮も返事しなくていいから。相手にするな」


クールに見せている要さんにじろりと睨まれた大石さんと私は肩を竦めて、それぞれパソコンと向き合った。

その後、いつも通りにミーティングが行われ、終わったらすぐに要さんと大石さんの二人は説明会へと出掛けていった。

一人残された私は頼まれていたデータの集計と入力をする。


そろそろ昼休みだ。半分ほど入力が終わったので、手をあげて伸びる。

今日は留守番を頼まれているから、お弁当を持ってきていた。給湯室で紅茶を入れて、弁当を広げる。


「あれ? 夕美ちゃんしかいないの?」


「あ、涼さん。お疲れさまです。部長と大石さんは朝から外出していて、戻りは夕方の五時頃の予定です」


持っていた箸を置いて、涼さんに二人の不在を伝える。