控え目に甘く、想いは直線的

「ああ、それは俺からのお詫びの品」


「えっ? いえ、ケーキを新しくしてもらったので十分で……」


「気にしなくていいから、受け取ってよ。かわいい君が見れて嬉しいし」


受け取ってと言われても、もらう意味がない。どうしよう……。

どうやったら払うことができるのか分からなくて、ワンピースの裾をギュッと握って俯いた。


「あらあら、そんなに難しく考えなくていいのよ。こんなの涼くんの気まぐれなんだから、ありがたくもらっておきなさいよ。ほら、その上にこれを着て」


着ていた紺色のカーディガンを後ろから羽織られて袖を通す。さっきまで地味なカーディガンだったのに、新しいワンピースに羽織ると品がよく見えた。

下に着るものが変わるだけでこんなにも印象が変わるんだ……まじまじと鏡に映った自分を見て、感心する。


「ほら、これを持っておばあちゃんのところに行きなよ。駅までの道は大丈夫?」


「あ、はい! 大丈夫です。あの、本当にありがとうございます」


腰を曲げて、頭を下げた。