控え目に甘く、想いは直線的

家まで送り届けて欲しいけど、無理なら適当に降ろしてもらうのでも十分だ。


「私、帰りたいんですけど。もう夜になりますし」


「夜になるから帰るって、子供じゃあるまいし。もう少し一緒にいろよ。心配しなくても今日中には送るから」


「でも」


「そんなにも俺といるのが嫌か?」


私は運転する要さんをチラッと見て、首を横に振った。嫌ではないから。

要さんは軽く私の頭を叩いて「それは良かった」と笑う。喜んでくれたことが嬉しくて、また心が踊った。

でも、家に行くのは本当に困る。家族の人はいるのだろうか。それとも、一人暮らしかな。


「要さんは、ご家族の方と一緒に住んでいるのですか?」


「いや、一緒に住んでいるのは涼だけ。秋に涼が結婚して出たら一人になるけどね」


「涼さんと二人暮らしなんですね」


「うん。元々は祖母のマンションなんだよ。ちょっと話すと長くなるけど」


そんな前置きをして、二人暮らしに至るまでの経緯を話してくれた。