控え目に甘く、想いは直線的

要さんは私が掴んだ手を見て、微かに微笑んで機嫌良さそうに歩く。そんな様子の要さんは本当に珍しくて、ただ歩いているだけなのに楽しい。

デートには。こういう楽しさがあるんだ。ドキドキするけど、気持ちが満たされる。初めての感覚に心が踊った。突然のデートで不安だったけど、初めての相手が要さんで良かった。

でも、なんで要さんで良かったと思うの?

分からないよ。

心の中で自分で自分に問いかけてみるけど、答えは出ない。楽しいからいいかな。


ショッピングモールを出て、車をまた走らせる。時間はもうすぐ六時。もし最後までバーベキューをしていたとしても、もう帰宅はしている時間だ。

でも、家とは違う方向に車は走っている。どこに向かっているのかな。


「あの、そろそろ帰りますよね?」


「いや、まだ帰らないよ」


「どこに行こうとしているんですか?」


「俺の家」


「ええ? 家だなんて困ります!」


本当に困るし、無理だ。いきなり家にお邪魔することは出来ない。それき、今日はハイキング向けの服装だから、もうこれ以上出歩きたくない。