控え目に甘く、想いは直線的

「ひぃ」


「夕美? どうした? 大丈夫か?」


「あ、はい! 大丈夫です。ちょっと待ってください」


予想以上に高い値段に驚いて、怯えた声が出てしまった。財布の中のお金では全然足りない。これ、断ること出来ないかな。

履いていたジーンズを脱いでスカートを履く。スカートは素敵だけど、今の私の着ているトップスと全然合わない。私には合わないと断ろう。


「ぴったりですね! それに足がとても綺麗なので、よく似合っていますよ」


店員さんは褒めてくれるけど、私はその後ろで笑っている部長が気になった。笑ってしまうほど、似合わないかな。


「上と下がチグハグなのがおもしろいけど、さっきのブラウスだったらきっと合うよ。ブラウスと合わせてそれにしたら?」


そんな簡単にすすめられても困る。この場でお金を貸してくださいとも言いにくいし、どうしよう、どうしたらいいかな。

また今度にしますと言って、逃れられるかな。


「あの、部長……えっ?」


まずは部長に断ろうと口を開いたけど、部長の右手の人差し指が突然唇に触れて、続きが言えなくなる。

この指はなに? なんで?