控え目に甘く、想いは直線的

「ブラウス一つにしても、夕美が着ているのは高校生のみたいだから、こういうのがいいと思う」


「それですか?」


部長に鏡の前まで手を引かれて、ブラウスを当てられる。

普段私が着ているブラウスはシンプルで何も飾りなどない。部長が手にしたのは胸元にフリルが施されていて、確かに見た目が華やかだ。


「夕美。ほら、見て。似合っているよ」


「まあ、お客様。よくお似合いですよ」


私は似合う似合わないよりも値段が気になった。微かに触れる生地が柔らかく上質なものに感じた。

袖口にあるタグをそっと確認できないものかと顔を変な方向に捻ってみる。

しかし、部長の手から店員さんに移動してしまい、確認不可能となる。店員さんは買うものだと思い、レジを持っていってしまう。

仕方ない、足りなかったら部長に借りよう。


「夕美、このスカートいいんじゃないか?」


「今度はスカートですか!」


またもや鏡の前に引っ張られる。


「良かったら、試着してくださいねー」


部長と店員さんに押されて、私はフィッティングルームに入った。

そうだ、今なら値段の確認が出来る。いくらかな?