控え目に甘く、想いは直線的

その笑顔を見たとき、心臓がドキッと跳ね、顔が熱くなる。


「あら、真っ赤になっちゃって。純粋でかわいいわねー」


店員さんにもかわいいと言われて、私は体を縮みこませた。かわいいとかきれいとかいう誉め言葉は今まで無縁で生きてきた。

でも、自分でいうのもなんだけど、今の私はかわいいと思う。

まるで魔法をかけられたシンデレラになった気分だ。

でも、シンデレラにかけられた魔法は時間が来たら解けてしまう。


「はい、これケーキ。ハッピーバースデーというプレートをのせてもらったけど、おばあちゃんの名前までは無理だったんだ。申し訳ないけど、これで許してもらえるかな?」


「申し訳ないなんて、これで十分です。ありがとうございます、用意してもらって。あの、これおいくらでしょうか?」


そろそろおばあちゃんのもとに行かなくてはいけない時間になっていた。かわいいと褒めてもらった服を着ていこうと思い、店員さんに値段を聞く。

高そうだから、財布に入っているお金で足りるか不安。足りなかったら元の服に着替えなくてはならないけど、出来るならこれを着ていきたい。