部長は小さくため息をついてから、言葉を続ける。
「つまり、外で部長と呼ばないでくれない? 例えば、拓人と同じようにするとか」
「大石さんと同じですか?……え、いや、無理ですよ!」
大石さんは部長のことを「要さん」と読んでいる。そんな希望をされても困る。上司を下の名前で呼ぶなんておそれ多い。
「柴田さんではダメですか?」
「分かった。俺も同じようにするから、夕美も要と言えばいい」
「ええっ? 絶対無理です! 柴田さんでいいじゃないですか?」
躊躇いもなく口に出された自分の名前に心臓が大きく跳ねて、顔が熱くなった。恥ずかしいけど、嬉しくも感じる。普段、部長とは距離があると感じていたから近付いてくれたのだと思うと嬉しい。
でも、どんなに嬉しくても私には無理だ。
「それは認めない。とにかく分かったな? 間違えたらどうなるか考えるんだな」
「分からないですよ! どうなるかなんて、どうなるんですか?」
にやりと意地悪そうに笑われてもそう簡単に「要さん」とは呼べない。
「つまり、外で部長と呼ばないでくれない? 例えば、拓人と同じようにするとか」
「大石さんと同じですか?……え、いや、無理ですよ!」
大石さんは部長のことを「要さん」と読んでいる。そんな希望をされても困る。上司を下の名前で呼ぶなんておそれ多い。
「柴田さんではダメですか?」
「分かった。俺も同じようにするから、夕美も要と言えばいい」
「ええっ? 絶対無理です! 柴田さんでいいじゃないですか?」
躊躇いもなく口に出された自分の名前に心臓が大きく跳ねて、顔が熱くなった。恥ずかしいけど、嬉しくも感じる。普段、部長とは距離があると感じていたから近付いてくれたのだと思うと嬉しい。
でも、どんなに嬉しくても私には無理だ。
「それは認めない。とにかく分かったな? 間違えたらどうなるか考えるんだな」
「分からないですよ! どうなるかなんて、どうなるんですか?」
にやりと意地悪そうに笑われてもそう簡単に「要さん」とは呼べない。


