控え目に甘く、想いは直線的

服に合わせて淡い黄色のリボンが付けられる。毛先はヘアーアイロンでカールされて、華やかな雰囲気に仕上がった。

ヘアスタイルが完成したら、次はメイク。ちゃんとしたメイクは成人式の時に美容院でしてもらって以来だ。

もうすぐ就職活動に入るからとファンデーションと口紅だけをとりあえず用意はしたけど、普段はノーメイク。

顔にいろんな物が塗られていく。鏡にうつる自分の顔を見てはいるけど、別人のようにと変化していく。

すごい。

まるでマジックだ。


「それにしてもきれいな肌ね。本当になにもケアしていないの?」


「はい。夜の洗顔後に保湿用のクリームを塗るだけです。あと、日焼け止めは塗りますけど」


「それだけできれいな肌を保てるのは羨ましいわ」


褒められるようなことは何もしていないから、羨ましがられて気恥ずかしくなる。


「そろそろ出来た?」


「仕上げはグロスよ」と塗られた口は輝いている…と思ったとき、柴田涼が戻ってきた。


「ほら、完成よ。どう?」


「おお、すげー。変わるもんだな。うん、きれいだよ」


柴田涼は一瞬目を丸くしたが、すぐに目尻を下げて、優しく笑った。