控え目に甘く、想いは直線的

「どういうって……好きだからするとか? あ、でも! 意地悪でするというのもあるんですか?」


もしかして、私を困らせたくてしたのかな?


「へー、意外にちゃんと分かってるじゃないか。あー、もうすぐ着くな。とにかくいろいろ気をつけろよ」


分かっていると言われたけど、分からない。好きだからしたのか意地悪でしたのか分からない。

好かれているようには思わなかったけど、さっきの優しく見る瞳には勘違いしそうになった。それでも質問した答えが分からなくて、私はモヤモヤするが、もう一度改めて聞くことは出来なかった。

数分後、車は川沿いにある公園の駐車場に止まった。部長はトランクルームを開けて、そこから青色のクーラーボックスを取り出す。そこには、人事部からの差し入れとして飲み物が入っている。


「私、持ちます!」


「いいよ。野々宮は転ばないように付いてくればいいから。足元、気をつけろよ」


持っているものは重いはずなのに、颯爽と砂利道を歩いていく部長の後を追った。


「あ、柴田ぶちょーう! お疲れさまですー!」