控え目に甘く、想いは直線的

聞けば、人数が多いから毎年三つのバーベキューコンロを用意して、グループも三つに分けるという。

参加者は総務部と人事部の社員で、毎年コミュニケーションを図るために一つの課に偏ることわないように分けているそうだ。


「もしかして。人事部はみんな別々ですか?」


「うん、三人しかいないからな。一人じゃ寂しい?」


「寂しいというより心細いです」


大石さんが一緒にいてくれると心強いんだけど。


「大丈夫。何かあればいつでも俺か拓人に言えばいいから」


ちょうど赤信号で止まると大きな手が私の頭を撫でた。驚いて部長を見ると優しく笑っていて、心臓がとくんと揺れ動く。

なかなかお目にかかれない貴重な笑顔だ。優しい笑顔だけでなく言葉も優しいし、なんといっても撫でる手が優しい。なんだか気恥ずかしくなって顔が熱くなる。

人に撫でられるのは、小学生以来だと思う。テストの点数が良かった時、母に褒められ撫でられたこと以来。

心配されて撫でられるなんて考えもしなかったことだ。部長から見ると私はお子様なのかな。

「……みたいですか……」


「ん?」


「私、子どもみたいですか?」