控え目に甘く、想いは直線的

予想もしない行動と言葉の意味がすぐに理解できなかった。

前髪をあげた方がいい? いきなりどうしてそんなことを?

目を丸くして動揺する私を他所に部長は体を起こして、自分のシートに戻る。


「外れたから、降りて」


「は、はい!」


前髪のことはもうどうでもいいのか、部長は早足でコンビニに入る。入ってすぐに私の方へ振り向いて、改めて上から下まで見る。服装をチェックだろうか。

おかしいかな? この服装は失敗?


「予想通り、地味だな」


「バーベキューだからこんな感じいいかと思いましたが、おかしいですか? 皆さんどんな服装でしょうか?」


「まあ、行けば分かるよ」


総務部に一人同期の人がいるけど、挨拶しかしたことがなく服装とか聞くことが出来なかった。勇気を出して聞いた方が良かったかもしれない。

今さら思っても遅いし、今から着替えることも出来ない。諦めよう。

コンビニでは缶コーヒーだけを買って、再び車を走らせた。


「多分違うグループだと思うから言っておくけど、気をつけろよ」


「グループ分けされるんですか?」