控え目に甘く、想いは直線的

部長の車は夢に出てきたのと同じ黒色の車だった。後部席に座らせてもらおうと後ろのドアに手をかけたら、前に座るように言われた。

父の車よりも明らかにクッション性の良い座席に私は、背筋を伸ばして座った。


「ここから一時間はかかるから、そんな姿勢でいたら疲れる。椅子を倒して寛いでいいよ。なんなら、寝ていてもいいし」


寝ていてもいいと言われて、はいそうですかと寝れない。私はほんの少しだけ椅子を動かして、肩の力を抜いた。そして、早いスピードで変わっていく景色を眺める。

何か話したらいいのかと思うけど、話題となれることが何も思い浮かばす、真剣に運転をする部長をたまに横目で見ていた。


15分ほど走らせると車はコンビニに入っていく。


「ちょっと飲み物買ってもいい?」


「はい」


待っているつもりだったけど、私も一緒に降りるようにと言われ、シートベルトを外そうとした。けれど、固くて解除できない。ロックでもされているのかな?