控え目に甘く、想いは直線的

待ち合わせした予定時間よりも20分も早い。


「早くついてしまったらしく、もし夕美の支度が終わっているなら早く出たいとおっしゃるから、とりあえずあがってもらったのよ。ね!」


前に送ってきてくれたときから妙に部長を気に入っている母は、昨夜迎えに来てくれると話したらワクワクするわなんて喜んでいた。

だから、上機嫌で迎え入れたのだろうけど、一応私の了解を得てからにしてほしい。

母に促されたのだろうけど、部長はソファにゆったりと座っている。


「今、支度は終わったのでバッグを持ってきます」


「ああ、待ってる」


「まあ! 本当にいつも優しくしてもらって、ありがとうございます!」


さらに浮かれる母を横目で見て、自分の部屋に急いでいき、バッグを持ってすぐリビングへ戻った。


「あらー、ゆっくりしていっていいのに」


「また今度お邪魔したときはゆっくりさせてもらいますので」


「まあ! 絶対に約束よ!」


なぜまた我が家に来る話になっているのか謎だ。それに母は約束の証とでもいいたいのか部長と握手をしていた。