…………あれ?


前を見て瞬き、腕時計で時間を確かめて瞬き。



……うん、間違いない。


まだ11時40分だ。



なのに何でだろう?



少し離れた駅前に、芦谷が柱に背中を預けて待っている。


身長が高いだけあって絵になるな、おい。



芦谷の周りには数人の女の子がいて、芦谷に声をかけているようだった。


当の本人はめちゃめちゃ眉間に皺を寄せていますが。



「ふーん、芦谷モテんじゃん。」


まぁあの身長と容姿だし、モテないわけないか。



今日の芦谷の服装は、当たり前だけど制服じゃない。


中は白のシンプルなTシャツで、上に赤と黒のチェックの上着。


ズボンもそれによく合う紺のGパンで、中々様になっている。