すれ違い、片思い


『・・・・うん。今みたいな悲鳴と、羨望の眼差し』



『そんなのあった?誰か近くにいたっけ?』



いたかなぁ?と、思い出そうとするけど、誰もいなかったし、声も、う~ん、しなかった、と思う。



『なんなら今以上の悲鳴。しかも羨望というか、半分睨まれたみたいな感じだったけど?』



『覚えてない』



『じゃあ、さっき、差し入れ持って行った時の事、何か覚えてる?』



下から聞こえる悲鳴と歓声で、ゲーム開始のホイッスルが聞こえない。


視線だけをグラウンドに向けて・・・・



『にしたに・・・』



『うん?何て言った?』



圭の声も遠くなる



『西谷の髪が・・・』



『が?』



私の声が小さいのか、圭の顔が近くなる。



『汗で・・・濡れて・・た』



『???』



気づいたらグラウンドを走る西谷を目で追っていた・・・・。