すれ違い、片思い


『気づいてないの、前田本人だけだと思うよ?』



西谷がクスクス笑う。



『え~っ?みんな知ってる?』



『多分ね』



西谷は続ける。



『大和が俺のとこ来るのは前田がいるから』



『そぉなの?でも西谷とは同じサッカー部でしょ?仲も良いし。だからじゃ、ないの?』



『それはそうなんだけど、ほらっ、校外学習の時、覚えてる?大和ら5組で、俺らよりだいぶ後にスタートしたはずなのに・・・』



『頂上で一緒になった!』



確かにそうだった。



『だろ?あれ、大和は俺に抱きついて来たけど、あれはカムフラージュで。ホントは前田が誰かに頼ったり、支えられたりすんのが嫌だから、急いで登ってきたんだ』



『え~っっ大和、かわいい!』



『そっ、アイツ意外とかわいいとこあって。俺を隠れ蓑にしてちょいちょい前田にアプローチしてる』



ちょっと、以外な大和の一面を見ちゃったな。



『で?鈍感な福島はどうして知ってるの?』



『えっ?』



『福島は、どうして、知ってるの?』