『・・・で?どうしてこんな事になったの?』
大和の表情が少し柔らかくなったのを確認して聞いてみる。
『いきなり殴られた』
『えぇ~っ!!!』
『俺、功に何もしてないのに。いきなり!ホント、俺が知りたい。何で殴られたか・・・』
俯いてボソボソとつぶやき続ける大和。
『何で殴られたんかはわかんないけど、俺、前田が保健室ついて来てくれてたら、功を許したな』
顔を上げ、ニヤっと笑う大和。視線の先はもちろん私。
『悪うございましたね!私で!っていうか、そんな事考えてたの?心配して損したっ』
『そりゃそうだろ。俺、前田がいいわwwうわっ!』
持っていた消毒液を投げつけそうになった。
『亜紀ちゃん、暴力反対!』
『もう大和なんて知らないっ!ホント、心配して損した!あとこれ貼って一人で教室戻って。昼休みもうすぐ終わるし』
絆創膏を手渡す。
『っていうかさ、何で前田は功について行った?ありえなくない?こういう時はやっぱ、功の方に亜紀・・』
最後の方は聞こえなかったけど、さっきブツブツ言ってたのはこれだな?本当に圭が好きなんだね、大和は。
『あっ、亜紀ちゃんありがと。手当てしてくれて。俺ちょっとここで休憩してから教室戻るわ』
私が大和を見ていたことに気づいたのか、顔を上げて私を見る。
『ふふっ、いいよ。貸しねっ!』
大きな大和がかわいく見えて。
座っている大和の頭をポンポンっと叩いて私は保健室から出て行った。
『亜紀ちゃん相手じゃ、功も大変・・・』
部屋を出る私の背中に呟かれた言葉は、私の耳には届かなかった。

