すれ違い、片思い


『・・・、・・・っ、・・亜紀っっ!』


圭の声で現実に引き戻される。



『どうした?ぼーっとアホ面して』



『なんやとぉ?』


そう言って軽く拳を振り上げて怒った素振りを見せ、
西谷からの《サンクスカード》をさりげなく裏返す。
その一瞬を圭は見落とさなかった。



『なに、なに~っ?誰からの?何か良いことでも書いてた?』


ニタァと異様な笑みを浮かべる親友の顔は少し怖い。



『ヤバいね、その顔。そんなにニヤついてたら元に戻らないよ?』



『戻るしっ!ってか、ホント大丈夫?
なんかこの世の終わり~…みたいに、亜紀の周りだけ空気止まってたよ?』



『ワッハッハ!でしょー?私ってすごいから周りの空気も止めれちゃうw』



ちょっと大袈裟に、オーバーアクションでポーズをとってみる。



『でたっアホ。ってかチャイム鳴るしもう席戻るね。あっ、それを言うなら時間よね?』



そう言って手をヒラヒラさせて私の二つ前の席に戻っていく圭。

侮れない、あの洞察力。??って言うか、先に空気止まってる~っって言い出したのは圭でしょ(笑)