すれ違い、片思い


『大和、俺今日は福島と2人で帰りたいから』



『おう!俺も圭と2人で帰りたい』



「じゃあね」と先に帰る大和たちを見送って。


私と西谷はグラウンド脇のベンチに座る。


もうグラウンドには誰もいなくて。


少しの静寂。




『前にさ、福島、あれ気にしてただろ?』



『あれ?何だろ』



『自分で言うの恥ずかしいけど、今井のこと・・・』



『あっ、うん。気に、してた・・・』



『俺、今井に告白されたけど、「好きなヤツいる」って断った』



『・・・じゃあ、文化祭は?名前はわからないけど、中庭で・・・』



『あれも同じ「好きなヤツいる」って言った』



『・・・私ね、西谷を探してる自分がいた。・・・さっきまで気づかなかったんだけどw』



『・・うん。福島さ、忘れてるかもしれないけど・・』



『ん?』



『夏休みの最後の日・・走って帰った理由・・・』



『・・・///・・・それ、聞いちゃう?』



恥ずかしいけど、頑張って話す。



『西谷は忘れてるかも、しれないけど・・・あの日私に「そういうとこも好き」って言ってくれて・・・あの時1人で気づかないうちに舞い上がってたみたいで、で、そういう《好き》じゃないって分かった時にショックを受けた・・みたい』



『俺は、思わず口走った「好き」に福島が怒ったんだと思ってた。あれから結構避けられたし。俺かなり落ち込んだ』



『ちゃんと言葉にしないとわからないねw』



『じゃあ、ちゃんと言って?俺、福島の口からまだ気持ち聞いてない』



西谷がまた意地悪になる。



『さっき、「分かった」って言ってくれたよ?』



『やっぱり聞きたい』



『やだ』



『・・・・』


西谷が私の顔を覗き込む。私の大好きな笑顔で、声で、


『・・・亜紀・・・好きだよ』


って。


そう言ってくれるから、私も頑張って



『・・・・大好き・・・・・・にしたにっ』



『・・・・俺、頑張ったのに・・・ 大和がずっと「亜紀ちゃん」って呼ぶのも本当はうらやましかったし・・・・・なっ、えっ?』



私は西谷の肩に顔をうずめる。
鼓動が速くなる。




『・・こ・・う・・。・・大好き・・・』




私の顔を見ようと肩を掴んで離そうとするけど



『・・・・恥ずかしいから・・・』



『ん・・・』






どれくらいの時間そうしていたかわからない。
でも西谷はずっと左手で頭をポンポンってしてくれて。



『このままこうしてたいけど、そろそろ帰ろ?』



西谷が言うけど。


やっと難問を解いた私にはもう少しこの時間が必要で。


『やだ』


って笑った。







♡♡end♡♡