すれ違い、片思い


HRが終わり、みんな一斉に教室を出て行く。

前田は約束通り『委員会がある』と福島に告げて。


ちらほら教室に残るクラスメイトには、前田と石原が声をかけて早く外に出るように促す。


友達って本当にありがたい。


全員が出て行った事を確認して、前田と石原に「頑張れ」と肩をたたかれた。


そんな2人の背中を見送ってから。


教室の後ろの扉にもたれてしばらく福島を見ていた。


福島は俺がいることなんてちっとも気づかない。



福島が席を立ったから一瞬びっくりして扉の影に隠れたけど、福島はそのまま窓を開けてグラウンドを見てる。



うん?誰か、探してる?

グラウンドを見てキョロキョロ、顔を左右に動かして。


そう言えば川上先輩が言ってたっけ。



「福島さんは誰を見てるんだろうね」



『・・・・・』



今、グラウンドにいないのは、明らかに俺。





少し、自惚れても、いいかな・・・・?





福島の表情はコロコロ変わる。まるであの時みたいに。










『・・・また百面相?』










俺は早く福島の顔を見たくて声をかけずにはいられなくなった・・・・・