すれ違い、片思い


『ごめんっ泣かせるつもりじゃなかったんだけど』



西谷は私を抱きしめたまま言葉を続ける



『ごめん。福島がかわいかったから、少し、意地悪した』



私は何も言えなくて



『俺、去年福島にフられて、友達でいようって頑張ったけど無理だった』



真っ直ぐな瞳



『フラれてもずっと好きだったんだけど。わかんなかった?』



小さく頷く



『ははっ、俺俳優になれるかもねw』



なんて



『でも、俺の気持ちに気づいてないの、福島だけだったみたい』



びっくりして西谷を見上げようとしたけど、左手で頭を軽く抑えられ、また肩に顔が収まる



『今、恥ずかしいから俺見ないで・・・』



まだ降ってくる優しい声



『大和はもちろん、前田も、川上先輩も、で、石原も気づいてた』



『で、さっき、石原に怒鳴られた。福島を泣かすなって』



『石原君が?』



『そう、さっきね』