西谷と2人の時はいつも家まで送ってくれる。
私が「バイバイ」を言えなかったあの日以外は。
久しぶりに2人で帰る道は、家までがあっという間で。
持ってくれていた荷物を受け取って。
『じゃっ!』
いつものように左手を上げて来た道を戻ろうとする西谷の背中に
『送ってくれてありがと。それから、寒いのに待たせて、ごめんね。・・・・それから・・・、川上くんのこと、心配してくれてありがとう』
西谷はゆっくり振り返って
『ん、・・・』
聞こえたから、振り返ったんだよね?
西谷の声が小さくて。
『福島さ、クリスマス暇?』
『クリスマス?』
『うん。もし予定がなかったらどっか行かない?』
『うん。予定ない!嬉しい!行こうっ!』
『ありがと。じゃあまた連絡する』
そう言って、今度は本当に来た道を戻っていく。
で、いつものように角で手を上げて。
見えなくなるまで西谷の背中を見てた。
そしたら、初めて西谷が振り返ったんだ。
目があったかな?くらいのほんの一瞬
ニコッと笑った気がして
ドキッ
胸が温かくなった

