すれ違い、片思い


『お前帰ってても良かったのに』



川上くんはニコリと笑って



『先輩んち、反対じゃないですか。俺たち駅一緒なんで』



西谷がぶっきらぼうに答える。


それでも川上くんは笑顔で



『まっいっか、今日は練習に入れてもらったし。福島さんとも話せたし。じゃあ福島さん、またね。で、良かったらメールして!』



川上くんは「じゃっ!」と手を上げて先に駅の方に歩いて行った。


少し遅れてゆっくり駅にむかって歩く。



『え~っと、ありがとう西谷、待っててくれて。圭たちは先帰ったのかな?』



『あぁ先でた』



『え~っと、怒ってる?』



『怒ってないよ』



『でも、眉間にシワ寄ってる・・・』



西谷は左手で自分の眉間を確認するけど・・・って、わかるわけないじゃないっ(笑)

思わず笑いがこぼれてしまって西谷を見上げると、何かブツブツ言ってる。



『怒ってないなら、待ちくたびれた?』



『あ、え~っと、大丈夫だった?』



『何が?』



『何も言われたりしなかった?』



『うん、しなかったよ?』



『メール、するの?』



『しないよ』



『そっか。じゃあ・・・・帰ろっか』



『???』



西谷の顔はいつの間にか笑っていて。私の好きな優しい笑顔になっていた。