すれ違い、片思い


お昼休み、私は校舎裏に向かう。


《昼休み、校舎裏に来てください》


差出人不明の手紙が下駄箱に入ってたから。


圭にはどこに行くのか聞かれたけど、心配させてもいけないから購買に行くと言っておいた。



校舎裏に行くと、男の人が壁にもたれて立っていて、私を見つけると歩み寄ってきた。


見たことがなかったから多分上級生。



『福島亜紀さん、だよね?』



『はい』



『俺、特進3年の川上有弥。知ってるかな?』



『ごめんなさい・・・』



見たことない人だった。



『そっかぁ、単刀直入に言うけど、俺と付き合ってくれない?』



『えっ?』



『ゴメンね、びっくりさせたかな?』



『は・・い』



『福島さんは俺のこと知らないかもしれないけど、俺は知ってるんだ。サッカー部だったからね。もう引退したけど。』



『えっ?サッカー・・・部?』



西谷と同じ。



『部員の間では結構福島さんは有名人だよ?』



『どうして、ですか?』



『どうして? ふふっ、自分で自覚ないんだ。』



『???』



『福島さんがかわいいから』



『私が?かわいい?』



『うん。そうだよ。サッカー部では有名。俺のツレのバスケ部の奴も言ってたな。だから俺、誰かの物になる前に告ろうと思って』



『・・・』



『彼氏、いないでしょ?』



『は・・ぁ』



『好きな奴いる?』



『・・・・・』



『・・・いるんだね』



どうしてだろう。いないのに、すぐにいないって言えなかった。



『もしかして、サッカー部?』



『えっ?』



『入れ替え戦も見にきてたよね?』



『あっ、あれは友達がいるからで・・・』



『友達って、原田と西谷?』



『はい』



『友達がいたら放課後も見るんだ。サッカー部の練習』



『???』



『福島さんって、鈍感って言われる?』



『良く言われます。自覚は無いですけど・・・』



『やっぱりね。・・・ありがと。来てくれて。で、頑張って!でも、ダメだった時用に俺を候補に入れといてね』