すれ違い、片思い


2人でパンケーキをキレイに食べ終わり、色んな話をしていると、隣のテーブル席の椅子を引き連れてマスターがやってきた。



『ちょっと、いいかな?』



私も西谷もワケがわからないからとりあえず「どうぞ」と返事をした。


マスターは申し訳無さそうに椅子に座って



『本当はお客さんのプライバシーだし、こんな事話したらダメなんだろうけど・・・』



と、前置きしてから続きを話し出した。



『昨日の夕方、店に圭ちゃんともう1人のイケメン君がきたんだけどね。2人で仲良さそうにしゃべってるなぁと思ってたら、圭ちゃん、急に泣き出して。』



『・・・圭が泣いた?』



『うん、そう、多分泣いてた。俺ね、2人とも知らない子じゃないし、ちょっと気に・・・・あっ、ちょっ、ちょっと、亜紀ちゃん!!』



マスターの話が終わらないうちに、私は店を飛び出した。


頭の中は圭が泣いてる姿でいっぱいになった。


大和が圭を泣かすのなら、昨日一緒に行けば良かった!


後悔が頭を支配して・・・


だから早く圭に会って話がしたかった。


「大丈夫?」って言ってあげたい。




無我夢中で走ったらここはもうホームで。


こういう時の電車は全然来ない。


ホームで1人イライラしていると



『福島っ、はぁ、はぁ、はぁ、やっと追いついたっ。以外と、福島、足、早いのなっ、はぁ、はぁ』



西谷が追いかけてきた。



『あっ、』



『うん?』



『ごめんっっ、西谷置いてった・・・』



『あーっ、やっと息整った。俺、ジジイだなw 』



笑わせようとしてくれてる?


でもそんな余裕無い



『福島?前田はきっと大丈夫。』



『どうしてわかるのっ!泣いてたんだよ?』



『確かに泣いてたかもしれないけど、悲しくて泣いてたんじゃないと思うんだ』



『???』



意味が理解出来なかった。


《フォーンッ》


警笛を鳴らし電車がホームに入ってきた。


私が乗ろうとすると、後ろから手首を掴まれる。


西谷を振り返ったけど、電車に乗る気配はなくて。


結局、手首を掴まれたまま、ホームのベンチに座るよう促された。