私の初恋は23歳と、とても遅かった。

中学高校大学と全て女子校だったため、これと言って男と関わることは特になかった。

強いて言うならば、先生と父親くらいだろう。

それもカウントに入るのかどうかと怪しいものではあるが。

新卒で保険会社に入社して、そこで営業の仕事を担当することになって約1ヶ月、出会いは訪れた。

「ねえ、早瀬さん。

今日の夜時間がある?」

いつものように出社したら、1つ上の先輩に聞かれた。

「ありますけど、何か用ですか?」

そう聞いた私に、
「実は今夜合コンがあるんだけど、相手の男の参加者が1人増えちゃったそうなのよ。

だからこっちでも1人参加者を増やすことになったから声をかけてるの」

先輩が説明をしてくれた。