ここまで……。


ドアを開けると、そこには広い部屋があった。


壁には大きなモニターがかけられていて、部屋の中にはあたし以外に4人の男女が茫然と立ち尽くしていた。


あたしも、茫然としてみんなを見回す。


年齢はそれぞれ違うようで、一番年上に見える男性は50代くらいに見えた。


ただ1つ、全員に共通するところと言えば……みんな、血まみれの服を着ていると言う事。


あたしも含めて、全員が。


「どうなってんだ……」


そう呟いたのは、あたしと同年代くらいに見える男の人だった。


色素が薄く整った顔立ちをしていて、こんな状況じゃなければ目を奪われていただろう。


「今度はなんの部屋よ」


怯えたようにそう言ったのは、シワが目立ち始めた女性だった。


中年太り気味の体で震えている。


「今度はって、どういう意味ですか?」


そう言ったのは50代くらいの男性だった。


「わ……私は今まで5つの部屋を見てきました」


女性が恐る恐る説明を始めた。