こうなれば、あたしたちのうちどちらか1人だけでも生き残る方法を見つけたい。


きっと、みんなも同じようなことを考えているのだろう。


さっきからみんな黙り込んでしまった。


「なぁ、なにか音がしないか?」


そう言ったのはルキだった。


「音?」


首を傾げる春奈に、「シッ」と、ルキが人差し指を立てて見せた。


みんなは考える事をやめて耳をすませた。


すると、微かにだが何か物音が聞こえてきているのがわかった。


それは何かがこすれるような、そんな音だ。


「何の音……?」


桃乃が狭い室内を見回して呟く。


しかし音が鳴るような原因はどこにも見当たらない。


誰もが首を傾げた、その時だった。


天井からホコリが舞い、翔吾の肩に落ちた。


それを手でつまんでみると、灰色のコンクリートの破片のようなものだと言う事がわかった。


「これって……」


あたしが言いかけた時、翔吾の視線が天井へと向けられた。