7月に入ってすぐ、私の家の近所にある神社で夏祭りが行われる。

中学生の頃は、毎年、私と萌実、悠也と陽輝の四人で一緒に行っていた。

だけど、中学の卒業式の日から付き合い出した萌実と陽輝。

今年の夏祭りは、萌実と陽輝は二人で行きたいだろうと思っていた私は、そのお祭りに行くか迷っていた。



6月のある日――…


部活が午前中だけだったある日曜日、私は綺那と買い物に出掛ける。

その時に、近所の神社でお祭りがある事を話した。

すると、


「それ、絶対に悠也を誘いなよ!で、その時に今日買った服を着ていきな!!」


綺那は目をキラキラさせて、そう言った。

そんな綺那を見ていると


「ねぇ……。綺那、楽しんでない?」


そんな気がしてきた。

っていうか、服を選んでいる時から、綺那は私で楽しんでいる感じがあったけど。


「そんな事ないよ。まっ、いつもと違う奈緒の姿を見て、悠也がどんな反応をするかは楽しみだけどね」


“そんな事ない”とか言いながらも、綺那は本当に楽しそうだった。