《風月Side》

『ふぅちゃん。ふぅちゃん。朝よ?』

ママがあたしを呼ぶ。

『んぅぅ……ママ、おはよぉー。』

あたしの名前は華蝶風月。
家族はふぅ、ふぅちゃんって呼ぶ。

『ふぅちゃん、今日ね。葎唏くんが来るって……。ふぅちゃん部屋にずっといる?』

え。葎唏くんが?
やだやだやだやだ。
怖い怖い怖い怖い。

『やだ。同じ空気吸いたくない……海くんのとこ行く。明日から冬休みだし、葎唏くん、泊まるんでしょ?』

海くんは助けてくれるの。

『え、ええ。千影ちゃんが泊まるらしいから。』

千影…ちゃん。は、葎唏くんのお母さんで
ママの妹さん。

『………葎唏くんが帰るまであたし、海くんの家にいる。泊まらせてもらうから。』

『ふぅちゃん…ごめんね。』

……何で朝からこんなんなの。
学校行く元気ないよ……。
でも、海くんと美依ちゃんと、約束したし…


学校行かなきゃね……。