すれ違い*Pure Love《1》









――夕日が差し込む静かな教室。


あの日、キミの綺麗な横顔は、俺の大事な友達を見つめてた。


幸せそうに微笑むその優しい表情に、俺の胸は高鳴った。


話したこともなかった。


特に意識したこともなかった。


名前すら覚えていなかったかもしれない。


それでもあの日。


一人切なげに校庭を眺めるキミに、この胸はトクンと音をたてて騒めいた。


綺麗すぎる横顔に、しばらくの間瞬きさえ忘れ見入った。


切なげな表情に、胸がギュッと狭くなった。


澄んだ瞳に映ったアイツの姿に、今度はチクンと痛みが走った。




女を目の前にして声が震えるなんて初めてだった。


自分を上手く制御できないなんて初めてだった。


こんなに臆病になるなんて初めてだった。


キミを好きだと思う度。


俺には向けられないキミの笑顔を見る度。


切ないキモチは今にも溢れそうだった。


そんなキモチを必死で抑えてきた。


何でアイツなんだよ?


何で俺じゃないんだよ?


いつもすぐそこにあったのは、そんな勝手な言葉ばかりで。


ありえないくらいにハマってく自分が怖かったし、ダサいって思った。


叶わない恋だってわかってたのに、何度も何度も傷ついて。


諦められなくて。


辿り着いた先は、ここだった。












――あの日よりも少し伸びた彼女の髪は、締め忘れた窓から吹き込む風にフワッと揺れた。


振り返った彼女は、瞬きもせずジッと俺を見つめる。


半年前、アイツを映していたあの瞳に、今は俺が映っている。


「……もう、とっくになってるよ?」


震える声で呟くと、目に涙を溜めたまま、優しく微笑んでくれた。