結局ホワイトデーは、何もなくすぎていった。 もう期待するのは止めようと思っても、どこかで期待してしまう自分がいる。 今日もいつものように席に着き、誰もいない隣の席をジーッと見つめる。 間には、相変わらず縮まらない距離がある。 はぁーと小さくため息をつき、カバンから教科書を取り出す。 順番に並べてから机にしまうのは、変なとこで几帳面な私のこだわりだったりする。 昨日置いていった教科書を取り出した瞬間、何かがポトッと下に落ちた。