……綺麗な歌声がした。
それはまるで雲の上にいる気分。
時に春風が吹いて、時に冷たい空気が身を切りそうな。
でも青い空が包み込んでくれているようだった。
目を開くと見慣れない天井が飛び込んできた。
どちらかというと寝起きはイイ方で、すぐに裕一の部屋を預かっていることを思い出した。
そして、ネコも一緒にいるはずだってことも。
上半身をゆっくり起こすと、ベッドにいるはずの彼女はいない。
その代わり、窓を開けてベランダで外に足を出してしゃがみこんでいる。
ネコが小さな鉢植えに向かって唄っていた。
「…あっちゃん、起こしちゃった?」
さっきの聞こえてきた歌声と、同じ声で聞かれた。
心臓の動きが狂い始める。


