「KAEDEが男の人だったなんて、私、いまだに信じられないの」

「そりゃあなー」

「本当に、女の人に見えた」

「化粧と、衣装のおかげだろ」

「衣装?」

「身体にフィットしないふわっとしたやつを選んでもらってたから」





そう言われ思い返すと、確かに体のラインのでないワンピースとかよく着ていた。




「それに、カメラマンは知ってるから、女に見える角度とかいろいろ調整してくれんの」

「へぇ!すごい!あ、でもだから、メディアには出ないんだね」

「・・・そんなんでたら、一発でばれる」





元は、楓くんだもんね。
女の子の振りなんて、きっと無理だ。

でも・・・。
KAEDEの笑顔を思い出す。
あんな風に、楓くんも笑うのかな。

プロ、なんだな。