私の生活も、少しずつ変わり始めていた。



「あの、坂口さん」

「・・・はい」

「あ、えと。先生が呼んでたよ」

「本当?ありがとう!」



私を呼びに来てくれたのは、クラスメイトの加藤くん。
私は、男の子に話しかけられてもビクッとしなくなっていた。

全くの初対面は相手の事がわからなくて少し不安にはなるけど、前ほど怖くはなくなった。




「すっかり、平気になったみたいね」

「うん。なんだか、世界が違って見えるよ!」

「ははっ、大げさ。だけど、確かにそうかもね」



まひろも私のこの変化を喜んでくれる。
私は職員室に向かうためまひろに一言つげ教室を飛び出した。



先生の用はすぐに終わり、私は教室に向かって歩いていた。
こうして歩いている時も、以前とは違う世界が見える。


怖がって、目を塞いでいた頃とは。
見える世界が、まるで違う。