ゆりかご

恐る恐る問いかけたあたしに、コータローは言ったんだ。


「ううん、かわいいよ!」

「……。」


翔矢以外の人から”かわいい”なんて言われても、正直響かないと思ってたーーー別に響いた訳ではないけど、あたしは何も言えなくなって、景色を見るフリをしてコータローの顔を覗き見た。

「…。」

よくは見えなかったけど、その口元は笑っていた。

「ありがと…。」


まもなく、あたしとコータローを乗せた自転車が校門を通り抜けると、さっそく注目の的になっていた。

あたしとコータローはそれを気にするでもなく、涼しい顔で走り抜けた。


「ホントありがとねコータロー。」

「ん?あぁ、いつでも乗せたげるし。」

今日何度目かのお礼の言葉に、ふんわりとした笑顔を見せてくれたコータロー。


その笑顔に、何だか不思議な気分にさせられるんだ。