ゆりかご

「あ、ありがと。」

息を整えながらお礼を言うと、コータローはにっこり笑顔になった。

少し緊張しながら自転車の後ろに乗ると、コータローがゆっくりと自転車を発進させた。


「あたし走るの遅いから、ホント助かったぁ。」

コータローの身体の隙間から流れてくる風に触れながら、あたしは素直な気持ちを言葉にした。

「あはは、良かった。」

コータローは、声を出して笑った。

学校までは、あと5分くらいだろうか……青空が続いていた。


「ねぇ、清田さんって今日顔違くない?」

気持ち良く空を見ていたあたしは、水を差された感満載だった。

「別にー?け、化粧のせいじゃない?」

何だか恥ずかしくてそっけなく答えたけど、そんなに違うかな…?

変かな…。

変なら変で、翔矢に会うまでに改善しておきたい。

「そっか、化粧か。ふーん…。」

「へ…変かな?」