ゆりかご

でもその姿はどこにもなくて…あたし達は肩を落とした。

「100メートル、終わっちゃったかもね。順番早い方だって言ってたから。」

「…そうなんだ。」

グラウンドでは他の競技ばかりが行われ、100メートルをやる気配が感じられなかった。

「…。」

残念…コータローの走るとこ、見たかったな。

「これだけ人がいると、誰が誰だかサッパリわかんないね。控えがどこかもわかんないし。繭子ちゃんと探してる⁈」

「え、あ、うん。」


だけど、どんなに探しても、コータローを見つける事はできなかった…。

とりあえず最後まで見ていたけど、表彰されることもなかった。



「ーーーどうする?」

グラウンドを見つめながら、ゆうちゃんが言った。

一口飲んだお茶が、やけにリアルに喉を通っていく。

「どうする、って言われても…。」