ゆりかご

「あら、助かる。じゃぁお願いね。あ、ジュース持ってって?」

「ありがとうございます。」

あたしはジュースを受け取ると、階段をのぼって雪乃の部屋の前まで来た。

ジュースの入ったペットボトルの冷たさが、あたしを僅かに冷静にする。


「…雪乃?」

一呼吸おいてから、声をかけてみた。

「雪乃、開けるよ?」

反応がなかったから、一応ことわりを入れてからドアノブに手をかけた。

雪乃の部屋は相変わらずキレイに片付いていて、その部屋の中で雪乃は、不機嫌そうにテレビを見ていた。

「…何の用?」

あたしを見上げ、早く帰れと言わんばかりの表情だった。

「何の用って…、あたしさっき、偶然翔矢に会ったよ。」

「ふぅん…。」

雪乃の興味なさげな返答に、あたしはだんだんイライラしてきた。