ゆりかご

お母さんの日傘、持ってて良かった。

「…。」

あたしは日傘の柄をギュッと握りしめて、顔を隠しながら翔矢の後を歩いた…。


女の子の腕は、翔矢の腕に絡んでいて、状況だけみても怪しさ満載。

だって本当なら雪乃……その前はあたしだったけど……あぁもぉ、どーなってるの⁈

わからないなら体当たりするしかない…!


「…しょ、翔矢ッ!」

「ぉおッ⁈…繭⁈なんなんだよ…。」

突然背後から声がして、驚きを隠せない翔矢ーーー目を見開いてあたしを見ていた。


「ゆ、雪乃は⁈その子は⁈」

あたしもあたしで頭がポーっとしてきて、上手く話せないでいた。

「なに?この子。」

翔矢の隣にいる長い髪の女の子が、怪訝そうな顔をして言った。

「大丈夫、なんでもない。」

「…。」

なんでもない、か。

あたしは、まだたまに思い出して感傷に浸ることもあるというのに…翔矢の中では既にその程度なんだね。