ゆりかご

「ありがとうございましたー。」

少しの立ち読みの後、テキトーにアイスを買ってコンビニを出た。

お兄ちゃんの好きなバニラさえあれば、文句は言われない。

さてと、アイスが溶けるとまたウルサイから早く帰らなきゃ。

立ち読みしてた雑誌、買えば良かったかな…なんて思いながら歩きかけた時だった……。


「翔矢んち初めてー。楽しみ〜♪」

ーーー知らない声が、よく知ってる名前を呼んだ。

ピタリと足が止まり、僅かに震えだす。

「…。」

翔矢なんて名前、この辺りでは1人しかーーー…。


コンビニを出て左が家の方、右が翔矢の家の方ーーー恐る恐る顔を右に向けると…翔矢の後ろ姿が見えた。

でもその隣には……あたしの知らない、長い髪の女の子が居たんだ。

久しぶりに翔矢を見て一瞬目が潤んだけど、スグに事の重大さに気づいたあたしは、後をつけようか考えていた。

だっておかしいでしょ……雪乃は⁈

翔矢は何をやってるの…⁈