ゆりかご

カァ、カァ、カァ

電線にとまるカラスが鳴いて、虚しくなってきた…。

「あ!ねえっ、あたし翔矢の制服姿見たいな。」

「えーっ、休みの日にまで制服着るのかよ〜…。上だけな。」

面倒臭そうに答える翔矢…面倒臭くても、ちゃんと着替えてくれるところが、翔矢。

ワイシャツの上にブレザーを羽織り、ボタン式のネクタイをつけるーーーあたしは、翔矢の細くて長い指をずっと見ていた。

「ん。どぉ?」

ふいに話をふられてドキっとする。

「う、うん!超似合う!カッコイイ!あーもぉ心配、浮気とかナシねー。」

「大丈夫だって。」

そう言って翔矢は、いつものようにあははと笑ったーーー…。

それからあたし達は、それぞれの学校の話をしたり、他愛のない話をして笑い合ったり……チューはあれっきりしなかったけど、幸せな時間を過ごした。

カァ、カァ、カァ

もうカラスの鳴き声も、気にならなかったーーー。