ゆりかご

「おじゃましまぁす…。」

「繭、また2回目(笑)。」

「…あ☆」

思わず右の手のひらを口元にあてた。

あたしはいつも、玄関と翔矢の部屋でそれぞれ”おじゃまします”と言ってしまうクセがある。

それを笑いながら、テキトーに座るよう促してくれる翔矢。

この笑顔が、好き。

茶色くて、サラサラの髪もーーー……ん??

「あ!わかった!」

「何だよ急に、あぶないじゃん。」

注ぎ途中のジュースがこぼれそうになって、慌てて軌道修正する翔矢。

「ごめん!髪の毛!会った時に何か違うと思ったんだ。いつの間に⁉︎茶髪も似合うねーっ。」

「ん?あぁ。サンキュ。」

翔矢は、オレンジジュースを飲みながら笑顔になった。

「いいな〜、あたしも茶色くしたーい。」

「あはは。繭も茶色くしたら似合うかもな。」

似合うかもーーーこの一言で、髪の毛もバッサリ切った…。