ゆりかご

「え…?」

いやだなんて言われると思っていなかったのだろう、翔矢は少し驚いたような表情をあたしに向けた。

「何がなんだか…全然わかんない。別れるって、何で?雪乃と付き合うから⁈あたしヤダよ、別れたくない……!」


別れを切り出されるのも、時間の問題だと思っていたーーー。

それを、受け入れなきゃいけないと……受け入れられると思っていた。

でも、気がついたら否定して、気がついたら泣いていて…全身が、別れたくないと言ってるようで。

コータローにキスされたり、好きになれたら…なんて思った事は事実だけど、あたしの気持ちは、まだ…ここにあった。

「繭…俺はもう……。」

「繭子はもういいでしょ?翔くんの彼女、早くやめてよね。」

雪乃が勝ち誇った笑みで、翔矢に腕を絡めていた。

「翔くん、行こ?」

「あぁ。繭、そーゆう訳だから。」

2人は、翔矢の家の方へ行ってしまった…。